柱時計
古くから時を重ねて来た物に心奪われる、目新しい物や流行の物には無い魅力。何故なんでしょうか。この古時計。眺めていると次々と自分に起きた懐かしい時間がよみがえってきます。いつも間に新しい物に取り換えられて忘れてしまっていたのに、ふち古い物を目にすると、今更ながら取り換えた時の新鮮さではなく、その古い物の行方が気になります。じいちゃんの家にあった柱時計。しょっちゅう狂っていて、時計の見方を覚えたばかりの私達は「まだ昼だよ。」と大騒ぎしながら従姉妹達とまた外へ。じいちゃんの「そんなことないで。」の止める声を背中の方で遠くなるのを聞きながら、ワザと走って飛び出した。じいちゃんの家での事を思い出します。

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